台湾鉄道旅行記(その2)

 

キョ光号に乗車 彰化〜斗南

自強号(日本JRでは特急に相当)の次は彰化駅13:26発のキョ光号(JRでは急行に相当)19次列車で民雄(僕らの〜自由を〜♪)まで南下する予定でした。

このキョ光号は途中の花壇駅で自強号に追い越されるダイヤになっていたようですが、その自強号が不具合を起したのか、何らかのトラブルが発生したのか

時間が来てもなかなか現れず、結局20分立ち往生となった関係で、急遽民雄の3駅手前の斗南駅で下車することになりました。

(民雄まで行くと帰りの復興号とすれ違って乗れなくなるため)

とはいっても、1日目は元々乗り鉄中心の旅程を組んでいたので特に名所回りは考えていなかった分、ダメージはさほどありませんでしたが・・・。

左: キョ光号の切符。民雄は「タミオ」ではなく「ミンション」と読みます。

右: キョ光号19次列車、彰化駅に到着。

定刻どおりであれば、民雄には14:38着。乗車時間1時間12分で運賃は日本円で440円程度。

左: キョ光号客車の室内。座席の前後の間隔が広いため、ゆったりとした乗り心地。

右: 彰化の次の花壇駅で遅れている自強号の通過待ち。駅名宜しくさんさんと輝く太陽の下でのどかな立ち往生♪(回りの乗客はヤンヤヤンヤと大騒ぎしていましたが)

左: ここまでくると南国ムードも深まってくる。

右: スーパードンキーコングが現れても違和感なさそうな景色が続く。

 

 

車窓動画2本撮りました。

彰化駅出発。静かにゆっくりと加速する様子は汽車旅の情緒そのもの。

 

二水〜林内間 高速走行。渡っているのは濁水渓という台湾最長の川です。

途中でキョ光号とのすれ違いもあります。

 

 

 

斗南にて

帰りの復興号とすれ違う直前の駅と思われる斗南駅で下車し、しばし台湾の田舎町をブラブラと歩くことにしました。

駅を出る際、駅員さんに乗ってきたキョ光号の切符と帰りの復興号の切符の両方を見せて、復興号に乗るためにこの駅で降りた旨を告げると

列車の出発時刻である「15:23」という文字をメモ紙に書いて渡してくれました。

 

以下、斗南駅の様子。駅舎、駅構内共に古い設備がほとんどそのまま残っており、昭和30, 40年代にタイムスリップしたような錯覚を覚える。

左: キョ光号の車窓から撮った斗南駅付近の車窓。レトロ感漂ういい感じの倉庫が建ち並んでいます。

右: ホームから駅舎に向かって台北方面を臨む。

気だるい昼下がりの一時・・・古びた倉庫の脇に佇む黒貨車。模型にしたくなる光景だ。

斗南駅舎は日本統治時代の末期である1945年に建てられた。                          

左: 駅前にはサトウキビ列車(?)で使われていたような小さな機関車と貨車が展示してあった。

右: 列車の傍においてあった説明看板。この列車のことではなく、斗南駅の歴史について書いてあった。

それにしても機関車だけ上向いているのは何故?銀河鉄道でも意識しているのだろうか・・・。

 

以下、斗南駅前の街の様子。北回帰線に近く、天気も晴れたためか、4月末にして気温・日差し共に早くも日本の真夏並みとなっている。

漢字!漢字!漢字イイィ〜〜〜〜〜〜ッ!!

列車の待ち時間をつぶすための散歩とはいえ、こうした異国情緒漂う街を散策するだけでも結構楽しめる。

 

余談ですが、街歩きの際、途中でコンビニ(セブンイレブン)にも寄ったのですが、台湾のコンビニには、お〜いお茶、カールなど、日本メーカーの

菓子・飲み物・カップめんなどが多く売られていたのが印象的でした。さらには、現地で生産された弁当にまで「ガッツリ大盛り」といったフレーズが

ラベルに入っているなど何かと日本語を目にする機会が多々ありました。そういえば台北のファミリーマートでは有線で青山テルマが流れていたな…。

 

 

新幹線乗換駅がなんぼのもんじゃい!―復興号に乗車 斗南〜台中

復興号(日本の旧国鉄でいうところの準急)も区間快(その1で紹介したスネ夫顔の電車。日本でいうところの快速)の台頭で絶滅危惧列車のひとつと

なっているため、一度は乗っておきたかった列車のひとつでした。復興号に使用される客車は、塗色以外はキョ光号とよく似ていますが、停車駅が

多いのはもちろんのこと、座席のシートが区間車(JRでいう普通列車)と同じビニール張りの生地となっているなど、キョ光号よりランクの低い列車

であることを物語っています。客層も自強号やキョ光号よりも庶民的でした。

まず先に発車のキョ光号92次列車を見送る。

左: 復興号が到着。グレードはキョ光号より下だが見た目はこっちの方が爽やかだ。

右: この客車の色見て「日本帰ったらガリガリ君食べよう」と心に誓った

左: 室内は木目調の化粧版で、暑い気候の中では涼しげな雰囲気。 

右: 椅子はリクライニングするが、シートはビニール張りの生地。

彰化付近。鉄道ファンとしては車両基地の近くを通ると食指が動く。

 

1本だけですが、車窓動画も撮りました・・・。

赤ちゃんの泣き声がするので苦手な方は音量を小さめにした方がいいかもしれません。

(兄と思われる子供が抱きかかえて一生懸命あやしていました・・・)

二水駅出発。集集線のディーゼルカーの姿も見えます。

 

この復興号で台中まで乗って、そこで新幹線に乗り換えて台北に戻る・・・というはずだったのですが、実は新幹線の"台中"駅は台鉄の"台中"駅に隣接しているわけではなかった

のです。正しくは、台鉄では「新烏日」という駅が新幹線台中駅への乗換駅でした。路線図や本をよく読まないまま日本の感覚で早合点して切符買ってしまったからなぁ・・・。

しかもこの復興号、「"新幹線乗換駅"の肩書きなんぞ片腹痛いわ!」とばかりにこの新烏日駅をスピード緩めず颯爽と通過してしまいました。

準急クラスなのにいい度胸だなアンタ、気に入ったぜ。

 

こうした事象も新幹線と在来線の経営主体が別々である台湾(新幹線は台鉄ではない!)ならではの出来事と思われます。今回のケースも然り、他の駅でも新幹線・在来線の乗換を

十分に考慮されていない所が多く、不便に感じますが、これもまんざら悪いことばかりではないようです。例えば、これはあくまで自強号やキョ光号に乗って感じた印象ですが、新幹線の

止まらない中堅どころの駅周辺も在来線の優等列車が健在のためか、さほど寂れた感じはしませんでした。日本のように新幹線が開通すると在来線の特急・急行が廃止されたり、ましてや

その在来線までもが三セクとして切り離され、経営状態が悪化し、路線・地域共に衰退してゆくようなことにならない部分はメリットなのでは?とも思えました。

あくまで私見に過ぎませんが・・・。

 

その3(台中駅、台湾新幹線)に続きます↓

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